La Gloria Cubana Triunfos ER Suiza / ラ グロリア クバーナ トリウンフォス ER スイス

スペック

形状:Magnum 50(50×160) 25本入SLB Box Code:POL SEP 10
2013/11/17 Cigar Oneにて購入 $430

序説

この葉巻について

 2010年にスイス市場限定で販売されたグロリアクバーナの限定品。2,400箱限定。グロリアクバーナにしては珍しく、スライド・リド・ボックスでの提供である。

購入時点での喫った感想

 購入前にサンプラーで数本試していたのだが、素晴らしい香味であった。流石はスイス市場限定ものだと唸ったものである。しかし購入したものは、今一つ、普通の葉巻だという印象が強かった。

 フローラルな香りにトーストの味、黒糖、アンモニア、土、レザー、蜂蜜、チョコレートなどが感じられた。フローラルさが一貫して強く、アンモニアも抜けきっていないことから、もう少し寝かせておくべきだと判断した。

 後半部分にピークが来ることが多く、そこまでは単調なものが多い。

外観・状態

 葉脈はしっかりと処理され、美しい外観。油がところどころ滲んでいて、なかなか美味しそうだ。揉んでみると、しっかりとしていつつも弾力がある。状態は良好だ。葉もしっかりと詰まっていそう。ドローは理想的。

喫味

序盤

 着火すると、乾いた木材の強い香りに、よく焼いた小麦の香りが香る。

 次第にオークモスのやや酸味を帯びた香味、コクの強い黒糖の甘みに、油脂系の深みある旨味が乗る。奥底にトロピカルフルーツの甘み。

 ホワイトペッパーが強いが、味わいを崩すほどではない。強めの苦みを感じるが、これも気にはなるものの、味わいを大きく崩すようなものではない。

 味わいが重厚で多層的であり、大変美味しい。

 舌先に感じる煙は細やかで優しく滑らかだが、強いホワイトペッパーのせいか、口の中に入ると、大きな岩をねじ込まれているかのように固い印象。なかなか面白い。

 煙量は並程度、強さはミディアムーフル。

中盤

 灰が異常に脆い。ラモンのセレシャスフィノス並だ。誤って床に落として大惨事になる。

 甘みが増してきて、お菓子のようになる。しかしそれは一瞬のことで、水っぽさが押し寄せてくる。濃厚さが失われる。オークモスと小麦、苦味とホワイトペッパーだけの香味になってしまう。

終盤

 やはり、灰が異常に脆い。依然としてオークモスと小麦、苦味とホワイトペッパーが中心。しかし、写真の辺りから、オークモスから樹液のような甘い蜜が染み出してくるようになる。苔全体から甘い蜜を分泌しているかのようだ。後味を鮮やかなシトラスが彩る。

 序盤に比べて、味の要素が減って圧倒的な感がなくなり味わいも狭まったが、味わいの深みは減じておらず、どうしてなかなか悪くない、まったりと吸える。

 コクの印象が納豆に近くなってくる。とはいえ、流石に納豆の匂いがしたりはしない。深みある味わいに符合したコクと旨味で、悪くない。

 そしてこれを皮切りに、煙にとろみが出てくる。苦味が消える。一貫してここまで続くオークモスが森の香りを持ち合わせ始め、滲み出す甘い蜜が粘度を増してとろりとする。

 チョコレート、カスタードクリーム、アテモヤ、ブラジルナッツの深い香味。オークモスから幻惑的な様々な香味を齎す胞子が撒き散らされているかのようだ。ここにきて味わいが再び多層的になり、複雑さを取り戻す。間違いなく、この葉巻のピークだろう。大変美味しい。

 今まで感じなかった土の要素が、ここで現れ始める。硬い岩、粘土。

 コクが強まって、塩味をかなり感じる。塩饅頭並みの塩分含有量だ。

ラスト

 燃えさしの木、オークモス、蜜、ホワイトペッパー、焼けたゴム。一時香った様々な香味は影をひそめてしまう。蜜の甘みはあるものの、コクの強さに反して甘みが弱すぎる。この葉巻の中盤のような、つまらない感じを再び味わっている。残念ながら、交響曲は終わってしまったようだ。こちらも喫煙を終えるとしよう。終了。

総評

 もらったサンプラーを超えるような、感動的な葉巻は数少ない。外れの箱なのだろうか、それとも案外ばらつきが大きいのか。
 ラッパーの美しさや煙の印象などから、質の高さは感じる。ドローも素晴らしい。上質な葉を使って、腕の立つトルセドールが巻いたであろうことは疑いない。購入した所に一抹の不安はあるものの、一貫性のある味わいの印象から、恐らくフェイクではないだろう。灰の異常な脆さは気にかかるが、イギリス限定ものでも灰が脆いものはあったので、何とも言い難い。少なくとも、ショートフィラーのドロー、喫味ではない。でも、試しに一本分解してみようかな。

 後半のピークの部分は実に美味しいのだが、それ以外が単調でつまらない。つまらない部分をそぎ落として、ロブストとして吸いたいくらいだ。そうしたらさぞかし美味しい葉巻だと感じるだろう。
 今まで吸った、この箱の大半が似たような印象。一時期大変美味しいものにも出会えていたのだが……。グロリアクバーナは熟成で大化けするので、この葉巻はあと10年は封印しておくこととしよう。ひょっとしたら、長期熟成を意図したブレンドで巻かれているのかもしれないし。

012345678910備考
ドロー    0:息が通らない 5:最適 10:スカスカ
強さ1:ライト 5:ミディアム 9:フル
今回の点数平均点数製造年購入年点数履歴
82852010年2013年2013年
87
2014年
77,82
2022年
82,92,93,96,82
86,87,85,80,81
葉巻の点数

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