スペック
形状:Julieta No.2(47×178) 10本入DB Box Code:OSU NOV 01
2013/8/5 Habano Cuban Cigars.comにて購入 167€
序説
この葉巻について
1960年代から2012年まで生産されていた葉巻で、グロリアクバーナのチャーチルサイズ。腕の立つトルセドールが少ないせいか、ハバノスはチャーチルサイズの葉巻があまりお好きではなかったようだ。2010年近辺のこの時期には、5大ブランドのオヨのものを含め、たくさんの傑作チャーチルが廃版の憂き目を見た。
購入時点での喫った感想
購入当時にして10年以上が経過していた。到着後すぐに吸った一本は、グロリアクバーナらしい味わいは強いが、苦味も強い葉巻だった。ドローに問題があって、味わいは朧気で薄かった。ところどころ、これは今チョコの味がしているのかな? だとか、今ドローが良かったら多分すごく美味しいところなんだろうな、だとか、あやふやに感じるのみ。それでも、良品に思いを馳せるくらいには良い味わいだったと思う。
外観・状態
- 葉脈は綺麗に処理されている。油分は枯れてほぼない。
- まだ十分に弾力はあって、揉んでも割れたりはしない。
- ドローはやや詰まる。
喫味
序盤
着火すると、雑木林の香りに酸味を伴うオークモス、そこから少し冷めたトーストが漂う。透明感のある蜜のような甘みが、口の中で野太く広がって、なかなか美味しい。
1cmほどで黒土の香りが出てきて、深い森の中に迷い込んだかのような錯覚を覚える。バターの霧と、ごく薄くグレープフルーツの皮の香り。出だしとしては悪くない。
かなり珍しいが、はっきりとわかる、紅しょうがそのものの香味。そこに、粉体のように粒子の細かい小麦の香味が添えられる。
チャーチルにしては煙量は控えめ、強さはミディアム程度。
中盤
粉の粒子細かく、それでいて粒の際立った小麦の香味が長く続く。
冷たく滑らかなチョコレートクリーム。全体的に大変コク深い。
終盤
ムスクの濃厚な甘みが漂う。黒土の香りが増す。これに伴い、全体的なコクと香味の濃度も増したかのように感じる。
クルミ、粘土、甘い甘いフィナンシェ、ナツメグ、熟れた柿。様々な香味の最奥、ねっとりとした甘みのさらに奥に、トロピカルフルーツの持つ、独特な酸味を感じる。
やがて、メランコリックで深い余韻を伴うピスタチオが現れる。
ラスト
ラストはチョコレートが強く表面に出てくる。濃厚な黒土の香りに加えて、バターたっぷりのフィナンシェの香味がぐっと前のめりに乗り出してくる。
一陣の風のような爽やかな草の香りが、エグ味を伴いだすと、カイエンペッパーの強い辛味がすべてを蒸発させ、これをシトラスフレーバーが上書きしていく。
残り数cmといったところになって、急に香味がどっと移り変わっていき、面食らう。持てなくなるまで吸って終了。
総評
序盤からラスト数cmまではまったり系の実に美味しいシガーだったが、ラスト数cmで大きな変化を見せる。そのあまりの変化の様は、まったりと楽しめていたそれまでの喫煙時間を、実はそれが退屈なものだったのではないかと錯覚させるほどだ。
そもそも序盤の紅しょうがの香味からして、僕の未熟な喫煙経験では初めての香味だった。しかもそれでいて、不思議なことにこれが美味しいのだ。香味は流れるようにゆっくり変化するが、決して退屈な葉巻ではなかった。たしかに中盤やや中だるみした感は否めない。しかしその分、ムスクの香りだした終盤からの爆発力は大きく評価できる。
ラスト数cmの変化の様は、激しく鮮烈だったが、これがこの葉巻の肝なわけではない。この葉巻の本質は、特異な香味を作り出している様々なスパイスそのものなのだと思う。
実に良い喫煙体験だった。
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 備考 | |
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ドロー | ★ | ★ | ★ | ★ | ☆ | 0:息が通らない 5:最適 10:スカスカ | ||||||
強さ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | 1:ライト 5:ミディアム 9:フル |
今回の点数 | 平均点数 | 製造年 | 購入年 | 点数履歴 |
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92点 | 88点 | 2001年 | 2013年 | 2013年 80,91 |
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