Vegas Robaina Don Alejandro / ベガス ロバイナ ドン アレハンドロ

スペック

形状:Prominentes(49×194) 3本入ペーパーパック Box Code:不明
2010/12/2 Cigar of Cubaにて購入 $??(記録忘れ)

序説

この葉巻について

 ダブルコロナは総じて、美味しい葉巻ばかりだ。腕の良いトルセドールが巻いているから、造りに問題を抱える葉巻も少ない。香味が安定している。しかも、どのブランドでもダブルコロナはフラグシップだから、威信がかかっている。当然美味しいし、良い葉を使っている。
 
 このドン アレハンドロも実に美味しい葉巻だった。と言うのも残念ながら、このドン アレハンドロ、2017年に販売中止になっているのだ。

 購入したドン アレハンドロは、CoCでビンテージ表記のあるものだった。製造年は2003年。値段は確か$72だったと思うのだが、値段を記録していなかったので確証がない。

購入時点での喫った感想

 購入時点で既に7年目の葉巻だった。

 クリーミーな甘みとコーヒーの香味が支配的。

 コーヒーは次第にエスプレッソへ、チョコレートクリームや栗の香味が混じってくる。苦味とスパイシーさが強い。

 得も言われぬ香ばしさ、みたいなものが強く感じられて、バター様のコクもあり、大変美味しかった。

外観・状態

  • なにぶん古い葉巻なので、ところどころ、ラッパーに痛みが見られる。喫煙に支障は(おそらく)なさそうなので、見なかったことにする。
  • 油分は枯れ果てているが、素晴らしく薄くて艶のあるラッパー。
  • 葉脈もきちんと処理されていて目立たない。
  • 揉むとしっかりとしていて、葉が詰まっている印象。だが、いまだ弾力は失われていない。
  • それでもさすがにラッパーは脆そう。
  • ドローは良好。

喫味

1/4

 着火すると、草いきれやレザーに加えて、馬刺しのような肉々しさがある。遊牧民の食事を想起するような香味。ナラの木の後に、リコリスの甘み。

 しばらくすると、濃厚な黒土とオークモスが立ち上がってくる。シダーの薪を半分に割ると、シトラスの酸味にまみれたオークモスの煙が溢れ出てくる。その煙の残り香に、香水がふっと現れては消える。なかなか面白い香味だ。ベガス ロバイナらしく、甘みは抑えめ。

 強さはミディアム、煙量は並程度。

2/4

 灰の硬さは並だが、灰の色は、ハバノスにしてはかなり白い。

 融けてしまったミルクチョコレートが黒土と混ざって、実に味わい深い。オークモスはやや裏に回り、ミルクチョコレートが表に陣取る。肉々しい旨味や、後に香る香水も相まって大変美味しい。只々、まったりとしてしまう。

3/4

 燃焼が非常に均一で、修正の必要がほとんどない。素晴らしく造りが良い。喫煙に集中できる。

 ミルクチョコレートから甘みとミルクが蒸発して、ビターチョコレートの様相を呈する。そこにオークモスが続く。甘みは粉糖から糖蜜へ変化していく。

 吸い進めると、どんどんと甘みに透明感が出てきて、チョコレートとの遊離が際立ってくる。

 シナモンやピーナッツの香味も出てくる。雑味が消えていき、香味が凛と研ぎ澄まされていく。

4/4

 ピーナッツがピーカンナッツに変化する。シナモンからコーヒーへの、香味の流れが作られる。チョコレートはいまだ主役を張っている。

 年老いて尚、壮健で魅力的なチョコレート。葉巻の名前のもとになった、アレハンドロ・ロバイナ翁のようだ。

 黒土のコクが強い、この土からブドウや桃、アンズなどの果物の木がニョキニョキと生えてきて、たわわに実をつける。その上にシナモンシュガーとチョコレートがたっぷりとかけられる。実に美味い、夢中になってしまう。

ラスト

 ラストは、終盤の香味を継続しつつ、甘いオークモスがふんわりと香る。いつまでも手放したくないと思いつつも、持てなくなるまで吸って、終了。

総評

 2時間20分の長丁場にもかかわらず、大変楽しめた。

 喫味の変化が楽しい類の葉巻ではなく、只々まったりと楽しむことのできる葉巻だった。仕方がないのかもしれないが、この葉巻が失われてしまったのはあまりにも惜しい。それでも、アレハンドロ・ロバイナが残した遺産は、今もハバナで引き継がれていることだろう。紡がれた歴史と過ごした時間、そんなものを僕たちは吸っているのだから。

012345678910備考
ドロー    0:息が通らない 5:最適 10:スカスカ
強さ1:ライト 5:ミディアム 9:フル
今回の点数平均点数製造年購入年点数履歴
98932003年2010年2010年
85,95
葉巻の点数

 他のダブルコロナの感想は↓からどうぞ! 

コメント

タイトルとURLをコピーしました