Trinidad Robustos Extra / トリニダッド ロブストス エクストラ

形状:Dobles Pt(50×155) 12本入VSB Box Code:MSE JUN 11
2012/6/8 Cigar of Cuba にて購入 $218

 2004年に販売開始され、2012年に販売中止になった、トリニダッドのロブストス エクストラ。同時にロブストスTも販売中止になった。以前はカラメルの濃厚な香味が美味しく、シルキーな煙が魅力的な葉巻だった。似たような大きさのシグロⅥと比べると、シグロⅥの方が圧倒的な魅力を持っていて、こちらは奥ゆかしいというか、静かに美味しい葉巻だ。

 ラッパーは油分が抜けきっている。葉脈は目立たず、美しい造りだ。ピッグテイルは保管中に取れてしまったりしがちだが、この箱は大丈夫。巻きはしっかりとしていて、葉巻は硬い。残念ながら、この箱の葉巻は少々乾燥してしまっている。ドローはややつっかえるが、悪いとまではいかない。

 着火すると、カラメルの奥深い甘みに柔らかな金属感。次第に甘いミルクコーヒーとバタートースト。草がやや強めで、後味にシトラスの香り、アルコール感。とろりとした蜜の味があって、これが大変美味しい。蜂蜜ともまた違うような、極めて上質な蜜の味だ。強さはミディアムーライト。煙量豊富。以前と変わらずシルキーな煙で、大変心地良い。

 とろりとした深みある蜜の味に、焼いたトーストとオレンジ。後味に時々チェダーチーズ。黒土の香味がコクを齎してくれる。粉糖の甘みにガス香。煙が綿菓子でできているかのように吸いこんでは溶けてなくなっていく。美味しくて陶酔できるものの、やはり、この葉巻を手にしたときに期待した香味ではない。風体と中身が全く異なるというか、このビトラにしてこの香味だというのは予想ができない。ロブストスTだとか、他のトリニダッドのビトラではこんなことはなかったのだが。圧倒的な感がない。しかし、物足りないという印象ではない。味わいにも隙間があって、この隙間から思考が編まれているかのようだ。物思いに耽るときのお供にぴったりな葉巻。

 煙の口当たりが非常に柔らかい。ほのかに葡萄が香っては消えていく。とろりとした蜜の味がずっと継続していて、堪らなく、恐ろしいほどに美味しい。副流煙には派手なチョコレートクリームが香るが、実際の喫味は至って静か、只々しんみりと美味しい。

 ラストはややハーシュなオークモスと、トロリとした甘みに包まれて終了。

 以前から印象はさほど変化せず。ニコチンの強さとコクが弱まって、フルーツとチーズの味わいが加わった。圧倒的な感がないので充足感が得られなさそうだが、不思議と十分に満足できる。思考のお供に最適な葉巻だが、日常的に吸うのは流石にもったいない。記念日などには、もう少し圧倒的な感のある葉巻が欲しい。となると、この葉巻を吸うシチュエーションというのは極めて限定的になってきそうだ。実際、この箱にはほとんど手を付けていない。これからもそう頻繁に手を付けることはないだろう。十分に美味しいのだが、このまま喫煙を続けていって最後に手元に残るのは、多分この葉巻になることだろう。

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