形状:Dalias Cortas(43×135) 25本入VB Box Code:EME JUN 08
2013/3/31 Cigar of Cuba にて購入 $209
2011年に販売中止となった、サンクリストバルのオフィショス。ラインナップに追加されたのは2006年のことなので、たった6年しか製造されなかったことになる。同時に販売中止となったムラーラやメルカデレスも美味しかったが、僕は殊更このオフィショスが気に入っていたので、販売中止は本当に残念だった。当時はこの葉巻が持つ甘いチョコレートクリームの香味が大好きだった。変化が少なく単調な葉巻ではあったが、その変化の少なさを補って余りある魅力があった。あれから大分経つが、どうなっているだろう? 巻かれてから13年の時が経ったこのオフィショスを、本日は試してみよう。
外観、葉脈が目立ち、ごつごつとしている。ラッパーの色味が濃く、しかし何故か、どことなく女性的な印象を受ける。揉んでみると、巻きはしっかりとしていて中身が詰まっている。弾力があって、状態は良いと思う。ドローも良好。
着火すると、ナラの木材とシナモン、遅れて八朔果汁の香り。甘みに透明感があり、シナモンの香りと結合して、ニッキ飴のようだ。しばらくすると、花の香りが立ち込めてくる。これは驚いた。この葉巻にそんな片鱗は、ついぞ感じたことがなかった。ラ グロリア クバーナのメダーユドールNo.1に似た系統の花の香り、しかし香水と形容するのは違う気がする。系統は似ているが、香りの強さはメダーユドールNo.1に一歩譲る。そして以前感じたような、蕩けるように甘いチョコレートクリーム。墨汁、粘土、岩なんかの土系統の香味とともに、よく焼いた牛肉の旨味も加わる。最初から大変美味で、恍惚とする。強さはミディアム、煙量は並程度かやや多め。何故か時々立ち消えする。過湿気味な印象はなく、寧ろやや乾燥していると言って良い位の水分量だったので、吸う頻度が少なかったのかもしれない。
花の香りが変わらず持続する。砂糖水と、コーヒーの香りの残滓。ナラの材木とオレンジ。中心に焼いた牛肉の旨味、こちらもずっと継続している。以前と同じく、変化に乏しい葉巻だと感じる。揺らめくオーロラのように、同系統の香味が少しずつ形を変えて、他の香味と混ざり合ったり、別れたりを繰り返している。複雑な香味だとは言わないが、それぞれに役割がきちんとあるような印象で、十分以上に美味しい。陶酔するのみ。
次第に花の香りがオレンジの香味と混ざり合って、これに澄んだ甘みの要素も相まって、何かのリキュールのようにも感じてくる。甘いチョコレートクリームがところどころで香る、滑らかな甘みが実に良い。花の香りと甘みがどんどん増してくる。
ラストは、クリアな甘みが印象的、味に厚みがあってひたすら美味い。チョコレートクリーム満載の香味で終了。
期せずして大変に美味しかった。メダーユドールNo.1ほど圧倒的ではないものの、終始花の香りが支配的だった。しかも、花の香りはどんどん強さを増していく。メダーユドールNo.1よりも花の香りが穏やかではあるが、その分、他の香味が立っていて美味しい。焼いた牛肉の旨味が煙の芯に常にあって、ところどころでチョコレートクリームが滑らかに甘く香る。素晴らしいの一言。この葉巻をもう購入できないのは、残念という他に無い。
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