スペック
形状:Britanicas(46×137) 25本入SLB Box Code:STA AGO 09
2013/3/2 Cigar Oneにて購入 $374
序説
ラモン アロネスはレジオナルの大御所とも言えるくらいに、毎年のように多くのレジオナルを輩出しているブランドだ。今回はその中からアジア太平洋地域向けのセレシャス フィノス。僕が持っているラモンのレジオナルはこれだけである。購入当初は巻かれている葉のグレードが高く、草や土、黒糖などが味わえて美味しい葉巻だと感じたのを覚えている。
外観・状態
色味濃く滑らかで精悍な外観、13年を経て尚、油分が残っている。葉脈の目立つ、ごつごつしたラッパー。揉み心地はしなやか且つ柔らかで、状態はベストだと思う。ドローは並。
喫味
序盤
着火すると、鞣革、草いきれ、リコリスが飛び出してくる。味が濃厚、バランスが良くて澄んでいる印象。最初から大変美味しい。
しばらくして、ジャングルの中の湿地帯、オークモスに焦がしカラメル。吸い進めるにつれて土系統のニュアンスが強まる。バニラ、全粒粉のトースト、酸味を帯びたシダー。
煙量豊富、煙は粒子が細かく柔らかだが、刺激性があって強い。煙の印象は前日のエンカントスに似ている。
強さはそれほど強くなさそうに見せかけて静かに強いタイプ、ミディアムーフル程度はある。
中盤
服の上に灰を落としてしまう。灰は超脆い。この脆さはただ事ではない、葉がちゃんと詰まっているか心配になるレベル。
香味は水で薄めた蜂蜜から始まる、草からレザーへと移り変わって、蜜漬けのシダーで終わる。余韻は長くない、ボディが強くて喉韻がそれほどでもないタイプ、甘さが喉に残らない。
強さが増してフルストレンクス。
シナモンや甜菜糖の香味とともにエグ味が出てくる。このエグ味は結構強く、看過し難い。シナモンが長く香り、ニッキ飴のよう。草のニュアンスが支配的だ。
味わいに密度はあるが濃淡に欠けるきらい、濃厚で味わいもあるが、ただのそういう煙だという域を出ない。一本調子でつまらないというよりは、煙中の香味が一つの層に集中しすぎていて渋滞しているという表現のほうが近い。
終盤
レザーやオーク、土などの香味はあるが、草が強い。草から他の香味が枝分かれして立ち上ってきている。支配的で中心となっている草の香味が、この葉巻の特徴と言えるだろう。
藁の束、チョコレート、粘土、ゴム、タンニンの強い葡萄。
時を経て雑味や余計な要素が削ぎ落されて、若干つまらない葉巻になってしまったようだ。
収斂味がないわけではない、味わいのコクに欠ける、奥行きがない。
黒土の要素が感じられるようになると、ようやく満たされる感じがする。レンズ豆の後に黒土の齎す濃厚なコクと甘み。そこに隠れるようにブラックペッパーがひりつく。色味の濃いぶどうジュース、飴玉。草の要素から来る、得も言われぬ爽やかさがある。岩塩とペッパー、よく焼かれて肉々しく薄い、ヒレ肉のステーキ。
ラスト
ラストは滑らかなオレンジと塩味ある鞣革で終了。
総評
今回の一本はラモンの印象からは程遠い、レギュラー品のどの一本とも異なる味わい。途中濃厚になってからはスペシャリーセレクテッドに近付いたと言えば近付いたが、正直比較するのも烏滸がましいレベルの差を感じる。ラモンを期待すると肩透かしを食らうだろう。
以前に吸ったものはもっと濃厚だったと思う。今年も数本吸っているが、素晴らしいものが多かった。灰の脆さなどからしても葉が詰まっていない印象は強い、個体差なのか保管上の問題なのか。幸いまだ数は残っているので、折を見てもう一度試してみたい。
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 備考 | |
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ドロー | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | 0:息が通らない 5:最適 10:スカスカ | ||||||
強さ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ☆ | ☆ | 1:ライト 5:ミディアム 9:フル |
今回の点数 | 平均点数 | 製造年 | 購入年 | 点数履歴 |
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82点 | 90点 | 2009年 | 2013年 | 2013年 89,95 2014年 91,90 2015年 88 2022年 96,96,88,96,94 80,80 |
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