Partagas 8-9-8 Varnished / パルタガス 8-9-8 バーニッシュト

スペック

形状:Dalias(43×170) 25本入VB Box Code:GUT AGO 13
2014/11/8 Cigar Oneにて購入 $208

序盤

この葉巻について

 パルタガスの8-9-8には魔法がかかっている。若くして吸っても旨いし、古いものはもっと旨い。しかも、時を経るにつれ、8-9-8は味わいを大きく変えていく。

 昔、葉巻を始めたての頃にCoCから購入したヴィンテージサンプラーにこの葉巻が入っていた。その時には現行品とのあまりの差異に驚いたものだ。「葉巻って熟成するとこんな風になるんだ!」という、ある種感動めいたものがあった。そして、自分でも葉巻を熟成させたいと考えるようになった。
 だからこの葉巻を買ったのだった。サンプラーに入っていたのは5種類で、他にはコイーバやロメオやパンチ、ベガスロバイナが入っていた。どれも素晴らしく美味しかったが、その中でも8-9-8は別格だった。自分で熟成させるならば、8-9-8が良いと思った。
 しかし、調べてみると、葉巻の熟成を個人でやるのは難しいことが分かってきた。よい環境を整えて放置することならできる、しかしそれを熟成とは呼べないみたいだ。

 この意味で言えば今回試す8-9-8は、試行錯誤こそしたものの、環境を整えて放置しただけの葉巻に過ぎない。さてこの放置葉巻、あの頃感動した一本と比べてどうなのだろうか? 早速味わってみよう。

購入時点での喫った感想

 素晴らしい木質系の香り、塩味がかった魚介系の旨味、原生林、香木、コーヒー、バニラなどが香る、とても美味しい葉巻だった。個人的に、新品状態でも、ルシタニアスの次に好きなパルタガスだ。

外観・状態

  • 葉脈の目立たない、油分の滲んだ美しい見た目。
  • しなやかで柔らかな揉み心地。状態は良好だ。
  • ドローも良好。

喫味

1/4

 着火すると、いきなり元気よく、コク深い煙草感が飛び込んでくる。オークモスと腐葉土、木くずの香り。ほんの少しだけレザー、甘いモカコーヒー。最初から滅茶苦茶美味い。流石は8-9-8だ。以前にサンプラーで吸ったものには敵わないが、その片鱗が見えると言っても過言ではない。

 ミディアムストレンクス。

2/4

 至極滑らかなカスタードクリームにオークモスとシダー、モカコーヒー。ハーシュさが少しあるが、味わいを崩すほどではない。

 煙の粒子は粉のように細かく、柔らかで、それでいて強い。

 昔はもっと強い葉巻だったが、今ではかなり強さを減じている。

3/4

 いつものように、葉巻に夢中になって服の上に灰を落としてしまう。

 滑らかなダークチョコレートクリーム。血を感じる、柔らかなヒレステーキをレアで食べているかのような、熱のある肉汁。抹茶ジュースとレザーが柔らかに主張する。後には餡子の甘みが残る。ミントの香味が口の中をすっきりとさせてくれる。金属感が強くなってきて、口蓋に張り付く。チョコレートクリームが段々と甘みを増していく。

 次第に味わいに透明感が出てきて、甘みが葡萄の香味を伴いだす。弾けるように新鮮なマスカット。

4/4

 フルーツ感のある、滑らかな煙。水で薄めた蜂蜜のような甘み。はっきりとした、生八つ橋の香味。オークモスが深いコクを齎し、大変美味しい。

 生のカシューナッツがクッと立ち上がり、かつお出汁の上に被さる。粘土、ホワイトペッパー、岩塩。リコリスと夏の草いきれ。クヌギの木の蜜。ナラの生乾きの板。

 新品の筆と薄めた温州ミカンの汁。正月にミカンの汁であぶり出しをしているかのような。ちょっとした秘密をふざけた調子で、子供同士だからできるそんな共有。墨汁とミカンの汁のそんな関係をチョコレートクリームの額縁が彩る。

ラスト

 ラスト、かつお出汁と蜂蜜、ナラの材木、薄い白檀、チョコレートクリーム。エグ味がやや強くなってきたので終了。

総評

 以前に試したサンプラーとの差異は、濃厚さ。あの一本は凄まじく濃厚だった。あれには残念ながら及ばない。熟成と放置との差異は、まさにこの点だと思う。ワインと猿酒の差、猿酒にすら及ばないのかもしれない。
 だが、放置葉巻とは雖も、これはこれで美味しかった。気長に放置して、「美味しくなっていたらいいな」程度で気負わずにやっていこうと思う。

012345678910備考
ドロー    0:息が通らない 5:最適 10:スカスカ
強さ1:ライト 5:ミディアム 9:フル
今回の点数
94

AVE.87
点数履歴
86,92,58,82,92,90,92,86,92
葉巻の点数

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