スペック
形状:Robustos(50×124) 10本入VSB Box Code:USE FEB 12
2013/3/27 HAVA★HAVANAにて購入 £250
序説
この葉巻について
第14回のハバノスフェスティバルで発表された、H.アップマンのロブスト。520周年という壮大な数字はどこから出てきているのかというと、葉巻発見から520周年ということらしい。
この葉巻はなるべく早く入手したかった。噂では、この葉巻には独特の酸味があるのだが、時間が経つとこの酸味が消えてしまうという話だったからだ。残念ながら、入手できたのは巻かれてから一年が経過してからだった(これでも一応2012年に予約したのだが)。試した時には独特な酸味は残念ながら体験できなかったが、それでも大変に美味しい葉巻で、味わいが実に重厚だった。巻かれてから10年が経過したこの葉巻、どうなっているか試してみよう。
購入時点での喫った感想
焦がし砂糖と酸味の残滓、オレンジゼリー、ココア。木質や草の後に、土の香味がぐっとくる。中盤以降は、蕩けるような甘みが味わえる。全体的に重厚な香味で、大変美味しかった。
外観・状態
- 葉脈の目立たない美しい見た目。
- ラッパーには油分が滲んで美味しそう、油分はまだ枯れていない。
- 揉んでみると葉巻はやや硬い。
- ドローは理想的。
喫味
序盤
着火すると、まず飛び込んでくるのは焦がしカラメルの甘み。
次いでシダーの香りが融合して、柔らかいコーヒーに変化していく。
最初からコク深くて大変に美味しい。
蒸したトウモロコシ。地層を成す粘土、その上に透明なレザー。このレザーが糖蜜で鞣されていて、素晴らしく旨い。ミルクの霧が漂うオークモス。
煙に特徴があって、粒子が細かく、シトラスをはらんでいて実に爽やか。そしてその煙が口の中でブワッと膨張する。この膨張感は何なのか? 圧倒されてしまう。
強さはミディアム、以前からそれほど強い葉巻ではなかった、寧ろ以前よりも強くなっているかもしれない。
後味に甜菜糖がかなり長い間残る。
煙量はかなり豊富。保管上の問題なのか、極端に片燃えする。
中盤
レザーの下に花の蜜と白檀、野趣溢れるムスク。後味に甘いオークモスがしっかりと残る。心地良く上品な香水。粗削りな材木。アプリコット。
幾重にも重なる香味がメランコリックでもあり、それでいて只々陶酔したくなる。上品で上質ではあるが、それだけではなく、ともすると荒々しくも感じる。豪奢なようでいて、底に這うようなしっかりとした強さもある。
特筆すべきは恐ろしいまでの滑らかさ。煙と甘みが至極滑らかで、魔法にかかったように夢見心地になってしまう。全く口に当たらない滑らかな生クリームと、甘い枇杷の果実を齧ったときの弾けるような果汁。
終盤
重厚なオークモスの上に羽毛のようにふんわりとかかるコーヒー。ほのかにオレンジゼリーと、シダーの板。長く使われていない古い書庫の、埃を被った分厚い物語の本。花の蜜がどんどん強くなる。生クリームは、ふわふわと軽い、泡立てたバターに変化する。
ラスト
ラストは大変にコク深い。クヌギ林の腐葉土の上に生クリームの霧がかかり、その更に上に優しいレザーがふわりと圧し掛かる。持てなくなるまで吸って終了。
総評
以前はもう少しオレンジゼリー感が強くてそれが特徴的だと思っていたが、現在の様相は大分異なる。妖艶でまとわりつくような滑らかさがあり、印象としては柔らかで優しいのに力強い。アンビバレンツなようでいて、そうではない。不思議な印象ではあるが確かに美味い、それも陶酔するほどに。ハバノスの中でもかなり特殊な煙だと思う。
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 備考 | |
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ドロー | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | 0:息が通らない 5:最適 10:スカスカ | |||||
強さ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | 1:ライト 5:ミディアム 9:フル |
今回の点数 99点 | AVE.97 | 点数履歴 95,97 |
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