El Rey del Mundo Aniversario ER Asia Pasifico / エル レイ デル ムンド アニベルサリオ ER アジア太平洋地域

形状:Geniales(54×150) 20本入VBN Box Code:LAR NOV 12
2013/9/30 Cigar of Habanosにて購入 $319

 このアニベルサリオは、パシフィックシガーの20周年を記念して発売されたものだ。このパシフィックシガーという会社は、アジア太平洋地域に於けるキューバ産葉巻の輸入代理店である。葉巻の箱はニス塗りされた豪奢なもので、20周年に合わせてか20本入りだ。
 購入当初に吸った感じだと、この当時は珍しいビール感が強い葉巻で、宴会場を想起させるような一本だった。今ではどうなっているだろう? 

 葉巻は太くて容姿が整った、堂々としたもの。圧倒される。ラッパーはまだ油分があり、葉脈も目立たず綺麗。アニバーサリーに相応しいと言える。揉んでみるとフカフカと柔らかで、状態は良さそう。当然のようにドローも良好である。
 着火すると、以前のようにまずビール感が漂ってくる。力強い小麦とわずかな酸味、パチパチと弾けるような刺激が炭酸のよう。そしてレザーを巻き込んだ苦み、アルコール感。もうほとんどビールである。しかし、昔は感じられなかった、煎ったナッツと濃厚な蜂蜜の甘みが出ている。更に吸い進めると、バターの香味が出てきて、蜂蜜を塗ったバタートーストを食べているかのような錯覚に襲われる。吸うたびに旨味が強くなり、塩味が感じられるほどになる。こうなると、トーストというよりはむしろ、フランスパンのほうが近くなってくる。

 香味は持続して、そこに更にコーンや粉糖、ヨーグルトやオリーブオイルの香味が合わさってくる。こうなるともう、洋風の朝食をいただいているかのようだ。このビールの味わいは購入当初と変わらず、そこにアーシーなコク深さが加わって、より深みが増している。また、ビールの味わいが主軸としてかなり強く存在し、付随する様々な香味が変遷していくというこの流れは、一本の太い川となって、長時間の喫煙でも飽きさせない。

 灰はかなり脆い。折ろうとしても崩れてしまう。しかしこの味わいはかなり特異だ。ここまで強いビール感を持つ葉巻は、寡聞にして他に知らない。僕はビールがあまり得意ではないのだが、この葉巻のビール感は美味しいと感じる。味わいは重厚でいて軽く、しつこくない。甘みも強いがくどくない。上手く調整されている。次第に強さを増してフルストレンクスに。しかし味わいは軽く、楽しげだ。奥深いアーシーさが下支えして、日ごろの疲れを労ってくれる。仕事の打ち上げ、宴会会場、以前と同じくそんなものを想起させる。

 この辺りになると粘土とアーシーさが喫感を支配する。オレンジ系の爽やかな味わいも加わる。しかし強い。以前よりも強いのではないか? ニコチンにノックアウトされて終了。

 ビール感はそのままに、以前に比べて様々な香味が立ってきており、より美味しくなっている。あまりベースとなる味わいに変化は感じないものの、これから先どんな顔を見せてくれるか楽しみな葉巻だ。

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