Quai d’Orsay Superiores ER Asia Pacifico / ケ ドルセー スペリオレス ER アジア太平洋地域

形状:Robustos(50×124) 25本入SBN Box Code:OGA JUN 11
2013/6/22 Cigar of Habanosにて購入 $260

 ケドルセーのスペリオレス。この葉巻はケドルセーでは初めてのレジオナルである。アジア太平洋地域向けで2,400箱の限定品。ケドルセーといえばフランス、というぐらいフランス人気の高いブランドで、ケドルセーのレジオナルもその多くがフランス向けである。そんなケドルセーに於いて初のレジオナルがアジア太平洋地域向けというのは、意外といえば意外だ。多分、フランスのLCDHには、ケドルセーからレジオナルを輩出するという発想自体がなかったのではないか? 実際のところは分からない。
 さて葉巻はというと、購入当初からダビドフを彷彿とさせるキノコ風味の葉巻で、大変美味しかった記憶がある。楽しみだ。

 油分の枯れた、しかし未だ艶のあるラッパー。葉脈は目立たず美しい。コロラドの淡い色合いはスタンダード品と同様で、いつも通りだという安心感を与えてくれる。尤も(少なくとも以前は)香味は大分違ったのだが。状態は良く、フカフカと柔らかい。ドローは並。
 着火すると、草がメインでミルク感がかなり強い。その上に甘い温州ミカンがかぶさる。出だしから、とても美味しい。煙量豊富ではあるが、流石に強さは以前と比べて弱まっている。ミディアム程度か。以前からそれほど強い葉巻ではなかったが、やや減衰が見られる。煙はやや粗い。少なくとも高級品の装いではない。これは以前から変わらない点だ。

 甘みが上品で非常に良い。変わらず煙量豊富で広葉樹の香り、そしてキノコ感が出てくる。この辺は以前と変わらず。良い印象の部分なので、変わらなくて逆にありがたい。以前と異なる点は、甘みが強くなっていること、温州ミカンの香味が加わっていることの2点。減算や除算ではなく加算なのが嬉しい。加わった味わいは以前の味わいをぶち壊すことなく調和している。これは素晴らしいことだ。それにしてもキノコ感が強い。美味しく陶酔できる。トリュフを掘り返す豚さんはきっとこんな気持ちなんだろう。

 温州ミカン、ミルク、キノコ、そして樫の木の集合体。そこに蜂蜜がブワッと香ってくる。これはすごい。ここまで強い蜂蜜感は久しぶりだ。オーパスXと比肩するくらい強い蜂蜜感だ。味わいの要素からして明るい森の中のようで、花咲く森の道で熊さんに出会いそうだ。子供の頃に戻ったかのように、楽しい気分が溢れてくる。
 なんというか、いい葉巻だ。煙量はあるものの、勢いはやや弱め。若干枯れかけているようにも感じる。だとしても、枯れかけてなお美味しい。ここから時間を置いたらどんな変遷を見せるかは気にかかるが、期待を裏切られることはなさそう。次第にマスクメロンの華々しい香りと甘みが大きく被さってくると、再び、これはすごい、と唸ってしまう。まさに至福の時だ。
 ラスト間際になると、もはやお菓子のように甘い。こんなに甘い葉巻ではなかったので驚きである。かと思うとふっと甘みが消えうせ、桜の葉の香味が立ち上る。図らずも春に相応しい味わいで満足。終了。
 キノコや温州ミカン、ミルクや樫の木を中心として、様々な香味を体験できた。購入時の味わいを未だ失わず、時を経て更に味わいが上乗せされている。吸う前からある程度の期待はしていたが、これほど美味いとは予想だにしなかった、良い意味で期待を裏切ってくれた、まさに珠玉の一本。ハバノスの中でも他に代替が見当たらない、特別な葉巻だ。

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