La Gloria Cubana Medaille d’Or No.1 / ラ グロリア クバーナ メダーユ ドール No.1

スペック

形状:Delicados Extra(36×185) 25本入VB Box Code:OSU ABR 02
2013/8/5 Habano Cuban Cigar.comにて購入 243€

序説

この葉巻について

 同ブランドのメダーユドールNo.3が大変美味しかったので購入したもの。
 1960年代から続く歴史ある葉巻で、コアなファンが多く存在していたのだが、2010年に販売中止となってしまった。細く長い葉巻は、上手に作るのが難しいのだろう。

購入時点での喫った感想

 コーヒーの香味が中心。そこに、蜜っぽい苦み、チョコレート、ココア、フルーツ、塩味のあるコクなどが現れては消える。当たりはずれはそこそこあるものの、大変美味しい葉巻。
 購入当初に試したときは、3本くらい連続で大外れした。しかしその後は嘘のように、手に取るこの葉巻のうち大概が当たり。調子に乗って、それはもうガンガン吸ってしまい、残っているのはあと7本だけだ。しかし一本くらいは様子を見ても良かろうて。

外観・状態

  • 色味のやや濃いめの、油分の枯れ切ってカサついたラッパー。
  • 葉脈が目立ってごつごつしている。
  • 20年選手にしては適度に弾力があり、状態は悪くなさそう。
  • しっかり目の巻き。
  • ドローは少し悪いが、許容範囲。

喫味

1/4

 着火すると超濃厚でフルーティなコーヒーがいきなり現れる。こんなの面食らってしまう。コスタリカ豆の華やかでフルーティな香りにモカの深い味わいを足したかのよう。苦味は強いがバランスが取れていて悪くない。甘みが完全に欠落している。最近甘い葉巻が続いていたので物珍しく感じる。

 次第に車のボンネットを上滑りしていくかのような白檀の香り。

 ここから、今までのあらゆる香味の上に、強烈な化粧香、フローラルな花の香りが覆い被さる。ラ・エセプションもかくやと言わんばかりの強烈さだ。花咲き誇る庭園でコーヒーを嗜んだら、これ位の芳香を感じられるのだろうか。

 かなり金属感があるにもかかわらず、全く不快ではない。

2/4

 花の香りが際立ち、金属感と魚介系の出汁の旨味が強く出る。香りは甘いが味としては全く甘くない。水っぽさの中に水としての甘みを感じる程度。

 時にムスクやサワークリームが現れる。口の中には常に金属感がある。しかし出汁の旨味と強烈な花の香に被されて、その存在を確認できる程度にとどまる。

 それにしても、もうほとんど香水を吸っているかのような香りの立ち方だ。ディオールの香水を上品に香らせている家に入ったかのような。嫌な香水の香らせ方ではない、センスを感じる香らせ方。香りは強いが角がなくて丸く、嫌味がない。

3/4

 コーヒー感がぐっと強さを増し、その最奥に華やかな温州ミカン。煙の残り香に鮮烈に山椒の葉の匂い。金属感はいつの間にやら消えている。香り中心の香味だが、下を魚介出汁が強く支えてくれているので、しっかりとして浮ついていない印象になっている。

 主流はフローラルで華やかな花や香水、時折コーヒーやサワークリーム、モッツァレラチーズなどが顔を出す。出汁で淹れたコーヒーに始まり、香水で終わるひと吸い。

 山椒の葉の匂いは次第に花の香りに置き換えられていく。この花の香はかなり後残りする。それにしても、これがタバコ葉を燃焼させて得られる香りだとは、俄かには信じられない。

 ここまでかなりのハイペースで吸っているので若干ニコチン酔いしてくる。静かに強い印象で、その上香味が華やかなので隠れてわからなくなっていた。

 サワークリームやモッツァレラチーズが強く出て、甘みが少し乗り始める。甘さを抑えたクリームチーズのムースが癖の少ないレアチーズケーキに変化していく。後味にワサビの根を齧ったときの鮮烈な香りと少しの辛さ、ワサビ自体の持つフレッシュな甘みが感じられる。

4/4

 香水はいまだかなり強く香り続けている。馥郁たる香りに恍惚として、服の上に灰を落としてしまう。

 しかし、無骨な見た目に似合わずなんと上品な味わいだろうか。そんな思いを巡らせているうちにも強さが増してきて、吸うペースがガクッと落ちる。

 香水は後ではなく先に香るようになり、後に残るのは枇杷の実のジューシーな香味やコーヒー、甘い生クリームなどになる。

ラスト

 ああ、この葉巻ももう残りわずか。ハッカのメンソール感が舌先と唇を冷やす。チョコレートクリームと魚介出汁のコーヒー。香水の香りも鮮やかで、いつまででも吸っていたい。持てなくなるまで吸って終了。

総評

 購入してから数年でここまで変わっているとは思わなかった。購入当時はコーヒーフレーバー中心の葉巻で、香水の香りはなかった。似たような花の香りが感じられる葉巻としてはラ・エセプションがあるが、あれはこの葉巻の香りとはまた違う、いってしまえばもっとどぎつい感じ、瑞々しさを感じる生花だった。グロリアクバーナのほうがもっと上品で刺々しさがなく、香水に近い。ラ・エセプションはしかも、購入してから一年も経たないうちに花の香りが失せてしまった。
 それにしても凄かった。今となっては只々余韻に浸るのみ。このような経年変化をするとは、葉巻とはなんと奥深いのだろう。
 こんなに特別な香味になるなら、あの頃あんなに節操なく吸うんじゃあなかった。残りはいつごろ吸おうか、もう一度この香味を確認したいのはやまやまだが、しばらくは大切にしまっておこう。

012345678910備考
ドロー       0:息が通らない 5:最適 10:スカスカ
強さ1:ライト 5:ミディアム 9:フル
今回の点数
100

AVE.87
点数履歴
68,51,78,93,82,86,92,94,93,90
92,89,92,88,92,88,91,93,92
葉巻の点数

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